売買手数料の無料化は2023年9月までに実施

ネット証券会社としてたくさんのユーザーを持つSBI証券では、2023年3月期から国内株式の銘柄を売買した場合の手数料を無料化にするという方針を発表しました。
ネット証券の手数料は店舗型の証券会社よりもリーズナブルであることが多いのですが、近年ではさらなる値下げが模索されてきました。
そしてついに、ネット証券の中でも業界最大手のSBI証券がこの手数料ゼロ化に踏み切るというわけです。

SBI証券による手数料の無料化はSBI証券が多角的に事業を展開しており、株式取引による売買手数料を無料化にしても、別の事業から十分に利益を得られるという採算があるからです。
ネット証券会社の収益にはいろいろなものがあり、売買手数料も大きな収入源となるわけですが、SBI証券の場合には不動産の金融事業を始め、FX事業や外国株の取引サービスなど幅広い金融ビジネスを展開しています。
そのため、現在でも国内株式銘柄の売買手数料が全体の利益に占める割合は約12%程度と決して高くはないのです。
それでは、ユーザーにとってはSBI証券の株式売買手数料の無料化に伴ってどのぐらいの節約ができるのでしょうか?

現在では約定金額によって売買手数料は異なり、5万円以下の約定金額なら1約定ごとに55円~99円の手数料と設定されています。
300万円超の高額約定においても1約定ごとの手数料は385円~1,013円ですし、1日定額手数料を利用すれば1,320円~1,691円程度と決して高くはありません。
しかし、これらの手数料がSBI証券の手数料無料化によってすべて0円になるのですから、投資家にとっては取引によって出した利益を多く確保できる大きなメリットとなるでしょう。

売買手数料の無料化でネット証券はどうなっていくのか

ネット証券業界における売買手数料の無料化は、以前から複数の証券会社が検討していました。
完全無料にするのは今回のSBI証券が初めてとなるものの、以前から少額約定額の手数料を無料にする動きは複数のネット証券会社にありました。
しかし2023年9月から始まるSBI証券の売買手数料完全無料化によって、ネット証券の多くは多かれ少なかれ手数料の無料化を迫られることになるでしょう。

証券会社によってラインナップしている銘柄は異なりますし、現在の手数料も異なります。
SBI証券の手数料完全無料化のようにすべての手数料が消滅するというわけではなくても、すでにGMOクリック証券をはじめとする複数社では1日当たりの取引が100万円までなら手数料無料にしていますし、松井証券では1日当たりの取引額を50万円以下と設定しています。
証券会社ごとに差別化を図りながら、少額投資家を中心に手数料の無料化及び大幅値引きがスタートすると考えられています。

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